気性の荒い馬は勝ちにくい?競馬の気性を解説!

競馬トリビア

気性の荒い馬

馬を操る騎手

競馬の実況を聞いているとで「かかってる」「折り合いを欠いている」という言葉をよく耳にすると思います。
これは、競走馬の持つ気性の激しさがレース中に出てしまい、騎手による制御ができない状態のことを言います。
騎手が手綱を目一杯引き、首を激しく動かして抵抗する馬を抑えるのに苦戦しているシーンを見たことがあると思います。
深刻な状況だと、完全なパニック状態に陥っており、コントロールすることはもはや不可能でコースを真っ直ぐ走らせる事さえも出来なくなってしまいます。

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血統による性格

「気性」は脚力とともに、サラブレッドの競走能力を構成する大切な要素です。
闘争心にも直結する部分ですので、扱いを誤ると本来の能力を発揮できないことになってしまいます。
サラブレッドには基本的に気性の激しいという特徴がありますが、人間と同じように馬も生き物ですので一頭一頭生まれもった性格が異なり、気性にも差があります。

その性格の違いは遺伝によるところが大きく、気性の悪さが特徴にもなっている血統もあります。
日本競馬界の運命を大きく変えた種牡馬「サンデーサイレンス」はとにかく気性の激しい暴れ馬で、その父ヘイローも母のウィッシングウェルも気性が悪い馬として知られていました。

サンデーサイレンスを父に持つ「ステイゴールド」のヤンチャぶりは有名で「騎手を振り落とす」「他馬に噛みつく」「レース中にコース逸走するをする」など破天荒なエピソードがたくさんあります。
才能がありながらも気性の激しさが影響し、なかなか勝ちきれないレースの多い馬でした。
そのステイゴールドの息子が、「オルフェーヴル」「ゴールドシップ」です。最近の競馬をご存じの方にはこの2頭の気性難については説明不要だと思います…。

気性を矯正する

サラブレッドは、仔馬の頃から気性を矯正するトレーニングを行います。
気性の問題を解消してから競走馬としてデビューしますが、調教で完全に補正できるものではありません。
血統と性格によるものですので、しつけだけでは限界があります。
また、いくら補正したからといって、秘めた本来の性格がいつ爆発してしまうかわかりません。

そこで気性に難のある馬には「矯正馬具」を付けて、気を悪くする要因を軽減し集中してレースを行えるようにします。
目の周りに装着する「ブリンカー」は馬の視野を狭くし、馬の集中力を高めます。
ナリタブライアンのトレンドマークだった「シャドーロール」は、自分の影や足元の状況に驚かないよう下方の視界を遮る馬具です。
頭を上げる癖を矯正するためにも用いられます。

音に驚いてしまう馬や砂をかぶるのを嫌う馬には「メンコ」を被せます。
こうして馬の気性面の弱点をカバーし、能力を最大限に引き出すために有効な「矯正馬具」ですが、場合によってはマイナスに働いてしまうこともあります。
馬具の扱いは競走馬の育成に関わる者の手腕と経験が重要なのです。

 

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強い馬には気性の荒い馬が多い?

話が矛盾しているようですが、名馬と呼ばれる馬には気性を悪い馬が多かったりもします。
ここ最近活躍した名馬では「オルフェーヴル」「ゴールドシップ」「エイシンヒカリ」の気性の悪さは有名です。
調整を嫌い調教ができないという理由でレースに使えなかった名牝「スイープトウショウ」、重賞で2度も失格になった「ニシノライデン」も気性の荒い名馬でした。
そして、あの皇帝「シンボリルドルフ」も激しい性格の持ち主で、厩舎ではライオンと呼ばれていたと言います。
競走馬にとって気性の悪さはマイナスに働く要素ですが、必ずしもそれが欠点であるとは言えない部分があることもまた事実なのです。