現在のJRAのレースには、純粋な意味でのステークス競争はありません。
ステークスの意味

競馬のレース名と言うと、「○○ステークス」と思い浮かべる人が多いかと思います。
G1レースにも「スプリンターズステークス」「ホープフルステークス」「朝日杯フューチュリティステークス」など、ステークスのつくレースがあります。
この「ステークス」の意味について、皆さんご存知でしょうか?
その起源は、近代競馬が根付いた頃のイギリスにあります。
レース着順をただ争うだけでなく、今のように賞金を賭けて争うレースが盛んに行われるようになり、そのレース賞金を拠出するためにレース出走馬の馬主がお金を出し合いました。
こうして確保された賞金を、レース勝者や入線着順に分配する形態の賞金レースを「ステークスレース」と呼び、現在に至っています。
現在のステークスレースとは?
現在JRAで行われているレースの本賞金は、すべて主催者であるJRAが出していますので、純粋な意味でのステークス競争はありません。
しかし、「特別競走」と言われるレースには、馬主から徴収した特別登録料※を「付加賞」として1着から3着までの馬に、7・2・1の割合で分配する賞金があり、これがステークスの仕組みに非常に近いと言えます。
つまり「〇〇特別」や「〇〇賞」といった特別競走も、ステークスレースに該当すると解釈できます。
(※特別競走に出走するためには、馬主は通常の登録料の他に特別登録料を支払う必要があります)
- 2018年の日本ダービーの付加賞
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参考までに、2018年の日本ダービーの付加賞は、(1着)2748.2万円 (2着)785.2万円 (3着)392.6万円でした。
地方競馬では付加賞の制度はありません。また「ステークス」のつくレースがありません。
ステークス制を取り入れていないためです。
そもそも純粋な意味のステークスレースがない現代においても、律儀に格式を守っているのです。
最近では、海外でも純粋なステークスレースが減ってきています。昔は盛んに行われていたイギリスでも、純粋なステークスレースはありません。
現在における「ステークス」は、本来の目的や意味のある名称ではなく、昔の名残で今に受け継がれている名称と言ってよいでしょう。